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スマホと脳疲労の“悪循環”をゆるく断つ方法〜便利さの裏にある「脳の使いすぎ問題」をそっと見直す〜

スマホと脳疲労の“悪循環”をゆるく断つ方法
〜便利さの裏にある「脳の使いすぎ問題」をそっと見直す〜


スマートフォンは、生活を劇的に便利にしたデジタル機器です。しかしその便利さの影響で、脳が情報処理を休めない状態が続き、気づかないうちに脳疲労過労のような負担が積み重なりやすくなっています。

特定の症状を断定するものではありませんが、「集中しづらい」「情報が頭に残りにくい」「気がつくと疲れる」などの状態には、スマホの使いすぎ依存的な生活習慣が関係している可能性が指摘されています。

では、なぜここまで脳が疲れやすくなっているのでしょうか。背景を少し整理しつつ、日常で取り入れやすい対策や工夫を紹介します。

■ 脳は全エネルギーの約20%を使う?

人間の脳は、体重のわずか2%ほどなのに、安静にしていても全エネルギーの約20%を使うと言われています。
スマホ中は「通知を見る?」「スルーする?」など小さな判断が連続するため、脳のエネルギーが微増しやすいと指摘されています。
「座っているだけなのに疲れる」のは、脳が静かにフル稼働しているからかもしれません。


■ なぜスマホで“脳が疲れやすい”のか?(原因)

スマートフォンが脳に負荷をかける理由は、単なる「長時間の利用」だけではありません。脳にタスクを要求するからです。

1. 情報が“途切れなく流れ込むデジタル構造”

通知、SNS、動画、ゲーム、メッセージ、広告──すべてが同時に動いており、脳は情報処理を休めません。特にショート動画のような“次々に変わる刺激”は、感情・判断・理解を高速で切り替える必要があり疲れる原因になります。

2. マルチタスクで集中が細切れになる

スマホ利用中は、アプリの切り替えや通知による中断が増え、脳は常にマルチタスクを強いられます。マルチタスクは効率的に見えて、実は集中や判断力を低下させやすいという研究もあります。

3. 脳の“報酬回路”が刺激され続ける

SNSの「いいね」やゲームのクリア音、フォロワーの反応などは、“もっと見たい”という気持ちが生まれやすい仕組み として紹介されることがあります。

こうした刺激が続くと、スマートフォンを手放しにくくなる人もいて、使う時間が長くなりやすいことが指摘されています。

4. 画面の光と姿勢によるストレス

ブルーライトや前傾姿勢は直接的な医学的影響を断定できませんが、睡眠リズムや身体のストレスに影響しやすいと言われています。睡眠の質が下がると、脳の回復が追いつかず、疲れが続きやすいという悪循環に。

スマホの疲れは「情報量」よりも、実は“判断回数”の多さによる負担だと言われています。
スクロール中の脳は「読む?」「飛ばす?」「反応する?」という小さな二択判断を高速で繰り返しています。
この“ミニ判断”の積み重ねが、注意力や意志力をじわっと削り、疲れを感じやすくする要因と指摘されています。


■ 脳の負担がたまっている時に出やすい変化?

・なんとなくぼーっとする(情報が多すぎて処理が追いつかない感覚)
・ミスが増えやすい(注意が分散しやすい)
・過剰にスマホが気になる(“つい見てしまう”行動パターン)
・感情が揺れやすい(刺激が続き、余裕がなくなる)
・睡眠のリズムが乱れやすい(つい夜更かしにつながりやすい)
・気持ちが“忙しい”割に何も進まない(処理タスクが多く感じる)


■ “スマホとの距離感”を見直して、日常の負担を軽くする工夫(対策・方法)

ここでは、医学的効果を保証するものではなく、生活の中で取り入れやすい対処・工夫を紹介します。続けやすいものから始めるのがおすすめです。

1. スマホの「常時アクセス」をやめる

近くにスマホがあるだけで気になることはありませんか? カバンや引き出しなど、“視界に入らない場所”に置くだけで、脳の情報処理は落ち着きやすくなります。

2. 通知を徹底的に減らす

必要なもの以外をオフにするだけで、脳の負担が軽くなる人もいます。

3. スマホを使わない時間帯を決める

夜間や仕事の最中はスマホを使わないなど、メリハリのある使い方が脳の負担が軽くなる人もいます。

4. デジタルデトックスの“隙間”をつくる

散歩や入浴、食事中など、短時間でもスマホから距離を取ると、気分転換になりやすいと言われています。

5. “アナログ作業”をわざと入れる

アナログ作業は、デジタル時間とのメリハリづけに役立つことがあります。

6. 情報の量を整理する

スマホには日々、膨大な量の情報が流れ込んできます。
選ばずに見続ければ、頭が“処理しきれない感じ”になりやすいのは自然なこと。
だからこそ、自分にとって必要な情報を選ぶという意識が大切です。


■ まとめ:スマホを“使われる側”から“使う側”へ戻る

スマホ中の時間が一瞬で過ぎるのは、
刺激が多いコンテンツに“注意が集中しやすい”ため、主観的な時間感覚がズレることがあるからとされています。

「刺激が多いと、気づけば時間が経っていた」という経験、ありませんか?
SNSや動画アプリはどんどん画面が切り替わるため、
脳は「次の情報」に注意を向け続け、時間を意識しづらくなることがあります。
その結果、「5分だけ」のつもりが気づけば30分…となりやすいのです。

これは“人間の主観的な時間の感じ方”に関する話であり、
刺激が多い時間を短く感じるという特定の脳の特性を示すものではありません。

スマートフォンは便利で、生活に欠かせない存在です。
しかし、使い方によっては、気づかないうちに脳が休むタイミングを失ってしまい、
ストレスや疲れが積み重なりやすくなることもあります。

大切なのは「スマホが悪い」のではなく、
“情報の流れが止まらない状態”が続くと脳が回復しにくいという構造に気づくこと。
ちょっとした工夫でも、生活バランスの支えになります。

※本コラムは一般的な科学的知見にもとづき、デジタル機器との付き合い方を紹介した内容です。
医学的な効果や改善を断定するものではありません。