いま、ここに、健やかに暮らす知恵

疲労回復:ドライバーのセルフケアハンドブック

ドライバーが日々の運転業務で感じる疲労に対処するためには、セルフケアが非常に重要です。本記事では、ドライバーが運転中や勤務時間外に実践できるセルフケア方法をご紹介します。さらに、必要な暑さ寒さ対策や疲労回復のポイントについても解説します。

セルフケアの重要性

セルフケアは、健康の維持と増進のために欠かせない自己管理の一環です。現代社会では、労働や日常生活におけるストレスや疲労が蓄積しやすく、健康診断や定期的な健康チェックだけでなく、日々のセルフケア対策がますます重要になっています。

  • 労働環境での安全確保
  • 生産性の向上
  • 心身のバランスを保つ
  • 病気の予防と早期発見
  • リスクや無理な働き方を避ける

 

早朝や夜勤があるドライバーの睡眠対策

早朝や夜勤のシフトをこなすドライバーにとって、質の高い睡眠を確保することは健康と安全運転に直結する重要な要素です。

  ■早朝シフトの睡眠対策

    ●就寝前のぬるめ入浴(40℃前後、10–15分)
 
     寝つきが良くなり、入眠までの時間を短くする報告が複数あります。

    ●寝室環境(暗く静か・涼しめ18–22℃)

     遮光・遮音は睡眠の質と持続を改善

     室温は高すぎると睡眠が浅くなりやすく、涼しめが有利というデータがあります。

    ●起床直後の明るい光(窓際・照明でも可)

     体内時計の調整と眠気の低下に効果。

     強度(照度or光度)が高いほど効果は強い傾向ですが、一般的な室内照明でも一定の効果が示されています。

  ●短時間の仮眠

      休憩中に20分前後。眠気やパフォーマンスが改善されます。

■夜勤シフトの睡眠対策

    ●帰宅時の強い光を回避(早朝帯) 

    明るい光は体内時計を前進させにくくし、帰宅後の入眠を妨げる可能性。

    サングラスや明るい店内での長居を回避するのが有効です。

    ●昼間睡眠の環境最適化(暗く静か・涼しめ18–22℃) 

     遮光・遮音は睡眠の質と持続性を改善します。

     室温が高すぎると睡眠が浅くなりやすく、涼しめが有利というデータが多数。

    アイマスク・耳栓・遮光カーテンが有効です。

    ●起床後の明るい光(目覚め対策) 

     体内時計の調整と眠気の低下に効果があります。

     強度が高いほど効果は強い傾向だが、一般的な室内照明でも一定の効果が示されている。

    ●短時間の仮眠

       休憩中に20分前後。眠気やパフォーマンスが改善されます。

中長距離、長い待ち時間、荷積などもあるドライバーにとって運動は?

中長距離ドライバーの職業は、一見すると体力を使うように思われがちですが、実際には長時間の運転が続くため、身体はむしろ固まった状態になりがちです。これにより、筋肉の緊張や血行不良が起こり、健康に悪影響を及ぼすことがあります。

まず、運転の合間に簡単なストレッチを取り入れることをお勧めします。ストレッチは、特に肩や腰の緊張を緩和するのに効果的です。また、サービスエリアや休憩所では、散歩や軽くジョギングすることで、血流を促進し、心身のリフレッシュにつながります。

    ●運転業務(停車中)の運動

          安全に支障ない少しの運動のみ、各10–20秒  例)肩をすくめて落とす、首をストレッチする

       ●出勤前

          3–5分 軽く体温・心拍を上げる程度

    ●休憩中の運動

          2–5分/回を基本(毎2–3時間ごと)

    ●退勤後

          5分(クールダウン寄り) 胸・股関節ストレッチ各30–60秒+軽い歩行3分

   ★特に中長距離ドライバー

    脳血管疾患や心疾患を予防したい

    座位時間(座りっぱなし)を細切れにし、脱水を避け、睡眠を確保することが効果的と言われています。

ドライバーの栄養について

ドライバーは長時間にわたり運転を続けることが多く、不規則な食生活に陥りがちです。しかし、体力や集中力を維持するためにはバランスの取れた栄養摂取が欠かせません。

  • 炭水化物: エネルギー源として重要、過剰摂取は避ける
  • タンパク質: 筋肉の修復や成長に必要、肉類や豆類、卵から摂取
  • ビタミンとミネラル: 新陳代謝を助け、免疫力を高める
  • ビタミンB群: エネルギー代謝に寄与し、疲労感を軽減
  • 水分補給: 脱水を防ぎ、疲労感や集中力低下を防ぐ

 

セルフケア:疲労感なき疲労の怖さ

現代の労働環境では、忙しさに追われる中で自分の疲労に気づかず働き続けてしまう人が増えています。この「疲労感なき疲労」は、健康診断でも見逃されがちですが、実は体や心に大きなリスクを隠し持っています。特に運転や現場作業など安全管理が重要な仕事では、疲労を自覚しないまま業務を続けることが事故や健康障害の原因となる恐れがあります。健康を守るためには、疲労を感じていなくても定期的なセルフチェックや適切な休憩を対策として盛り込むことが不可欠です。

熱中症対策と寒さ対策(疲労回復のポイント)

ドライバーとして働く際に、季節ごとの気温変化に適応することは、健康を維持し、疲労を最小限に抑えるために重要です。特に夏の暑さと冬の寒さは、体調に大きな影響を及ぼす可能性があります。まず、熱中症対策としては、適切な水分補給が基本です。こまめに水を飲むように心がけ、塩分やミネラルも適度に補給しましょう。車内での作業中はエアコンを適切に使い、直射日光を避けるためにサンシェードを利用することも推奨されます。

一方で、寒さ対策は身体を冷やさないことが鍵です。特に朝晩の冷え込みが厳しい時期には、温かい飲み物を摂取し、体温を保つことが重要です。また、重ね着をして調整しやすくすること、手袋や帽子を活用して末端の冷えを防ぐことも効果的です。さらに、車内ではシートヒーターやハンドルヒーターを活用し、快適な温度を保ちましょう。

疲労回復のためには、季節ごとの気温に応じた適切な休息を取ることが大切です。冷たい季節には湯船に浸かって身体を温め、筋肉の緊張を和らげることが推奨されます。

まとめ:継続的なセルフケアで安全と健康を維持

継続的なセルフケアは、労働環境における安全と健康の両立を図るうえで不可欠です。まず、定期的な健康診断による体調管理や健康対策を徹底することで、リスクを早期に発見し予防へとつなげることができます。また、セルフケアの知識を深めることも重要です。日々の業務や生活の中で無理をせず、自分自身の健康状態を常に意識する習慣を身につけましょう。これにより、事故や体調不良を未然に防ぐことができ、安心して働ける環境が実現します。

 

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自律神経を計測するアプリ「カルテコ」運用企画部