
病院で診察を受けるとき、医師や看護師がパソコン画面を見ながら説明している場面を見たことはありませんか。
その画面に表示されているのが「電子カルテ」です。
この記事では、電子カルテをよく知らない一般の方でも理解できるように、
電子カルテの仕組みやメリット、普及率、そして最近注目されているPHRとの関係まで、やさしく解説します。
電子カルテとは何かを簡単に解説
電子カルテとは、病院やクリニックで行われた診療内容や検査結果などの医療情報を、
紙ではなくデジタルデータとして管理・保存する仕組みです。
これまで医療現場では、診療の記録を紙のカルテで管理してきました。
しかし紙のカルテには、保管スペースが必要だったり、探すのに時間がかかったり、書き間違いが起きやすいといった課題がありました。
こうした問題を解決するために導入されたのが電子カルテです。
電子カルテはいつから導入され始めたの?
日本で電子カルテが使われ始めたのは1990年代後半です。
当初は一部の大規模病院のみで導入されていました。
その後、パソコンやインターネットの普及、厚生労働省による医療のデジタル化推進を背景に、
2000年代以降、徐々に導入が進みました。
特に2010年代に入ってからは、クラウド型システムの登場により、
中小規模の病院やクリニックでも導入しやすくなっています。
電子カルテの普及率はどれくらい?
現在、日本では電子カルテの普及が大きく進んでいます。
厚生労働省がまとめた「令和5年医療施設(静態・動態)調査」によると、2023年時点の電子カルテ導入状況は次のようになっています:
・一般病院における電子カルテ導入率:約65.6%
・医科診療所(クリニックなど)の電子カルテ導入率:約55.0%
電子カルテは、もはや特別なシステムではなく、
病院やクリニックで広く導入され、医療現場における情報管理のツールとなっています。
紙カルテと電子カルテの違い
紙カルテの特徴
- 書類の保管スペースが必要
- 探すのに時間がかかる
- 手書きによる記載ミスが起きやすい
- 院内での情報共有が難しい
電子カルテの特徴
- データとして保存・保管できる
- 必要な情報をすぐに確認できる
- 検査や会計など他のシステムと連携できる
- 医療現場での情報共有の円滑化により、業務効率化の一助となることが期待されます
電子カルテは、医療現場の業務の効率化が期待できます。
電子カルテのメリットとデメリット
電子カルテのメリット
- 診療情報をすぐに確認できる
- 業務の効率が向上する
- 情報共有がスムーズになる
電子カルテのデメリット
- 導入時に費用がかかる
- 操作に慣れるまで時間がかかる場合がある
- 停電やシステム障害への対策が必要
メリットとデメリットを理解した上で、医療機関ごとに適した運用が求められます。
電子カルテの種類と仕組み
電子カルテには主に2つのタイプがあります。
オンプレミス型
病院内にサーバーを設置し、電子カルテのデータを院内で管理するタイプです。
初期費用は高めですが、診療情報の多くを病院の中で管理できるという特徴があります。
クラウド型
インターネットを通じて利用するタイプです。
近年導入が進んでいます。
電子カルテとレセコンの違い
電子カルテとよく一緒に聞かれる言葉に「レセコン」があります。
- 電子カルテ:診療内容の記録を管理する
- レセコン:医療費の計算や請求を行う
最近では、これらが一体化したシステムも多く使われています。
電子カルテの普及で注目される「PHR」とは?
電子カルテが医療機関側で管理する情報であるのに対し、
近年注目されているのがPHR(Personal Health Record)という考え方です。
PHRとは、自分自身の健康情報を個人が確認・管理する仕組みを指します。
健康診断の結果や検査データなど、本来は「自分の体の情報」を、
自分で見て理解するための考え方です。
電子カルテとPHRをつなぐサービス
正確な電子カルテデータはPHRの活用価値を高めます。
カルテコのようなPHRサービスは、
健康診断結果などをまとめて確認できる仕組みを提供しています。
電子カルテが医療機関の中の仕組みだとすれば、
PHRは健康診断結果などの情報を一元的に管理し、ご自身の健康情報をご確認いただくための手助けをする仕組みと言えるでしょう。
まとめ:電子カルテを知ることが健康理解の第一歩
電子カルテは、医療情報の効率的な記録・共有を支援するシステムです。
そしてPHRは、個人の健康情報を管理し、医療機関との連携を促進するためのツールです。
電子カルテを知ることは、
これからの医療や健康との付き合い方を考えるための大切な第一歩になります。