日々の生活で、肉体的、精神的、脳疲労に悩まされていませんか?その疲労回復の助けとなり得る食べ物。このガイドでは、疲労の種類別に、疲労回復におすすめの食べ物と栄養素を詳しく解説し、食べ方や日常での活用法を提案します。

疲労回復:おすすめの食べ物
疲労回復:【肉体疲労】した時の食べ物・レシピ
栄養素①:ビタミンB1
理由:B1は糖質からのエネルギー産生や神経機能に関与します
食材:豚肉
おすすめレシピ:豚肉の生姜焼き定食
・水溶性のB1は加熱で汁に移りやすいので、タレも一緒に味わってください
・玉ねぎと生姜のアリシンはB1が働きやすい形を保つのを助けます

疲労回復:【脳疲労】した時の食べ物・レシピ
栄養素②:DHA/EPA
理由:DHA/EPAは脳の機能維持に関与する脂肪酸として報告があります
食材:サバ
おすすめレシピ:サバの塩焼き定食(※ごはん小盛)
※過度な血糖変動を避けつつ、魚由来の脂肪酸を取り入れる工夫

疲労回復:【精神疲労】した時の食べ物・レシピ
栄養素③:ビタミンB3・B6、トリプトファン
理由:これらは神経伝達物質の代謝に関与します
食材:鶏肉
おすすめレシピ:鶏の照り焼き定食(※ごはん小盛)
※血糖の乱高下を抑えつつ、ビタミンB3、B6、トリプトファンを摂取

疲労回復【貧血気味・ふらつき】した時の食べ物・レシピ
栄養素①:ヘム鉄、ビタミンB12
理由:造血に関与し、酸素運搬を支えます
食材:カツオ
おすすめレシピ:カツオのたたき定食(※ごはん小盛)
・薬味とポン酢で鉄吸収を支える
・食後のコーヒー、濃いお茶は1〜2時間空けると良い(吸収を阻害)

回復を継続するための食習慣
疲労回復:朝食を抜かない
朝食を抜かないことは、疲労回復を継続するための重要な食習慣の一つです。朝食は一日の始まりに身体にエネルギーを供給し、代謝を活性化させる役割を担っています。特に、長時間の空腹状態を経て体内の栄養素が枯渇している朝は、質の良い朝食を摂ることで、身体と脳に必要なエネルギーを迅速に補充することができます。
疲労回復:冷たいものばかり摂らない
冷たい食べ物は、暑い季節には特に魅力的に感じますが、疲労回復の観点から見ると、温かい食事を取り入れることが重要です。冷たいものを摂ることで、体が冷え、血行が悪くなる可能性があります。これにより、体内の栄養素や酸素の運搬が滞り、結果として体の疲労感が増すことがあります。温かい食べ物は、体を内側から温め、血流を促進します。例えば、温かいスープや煮物は、消化を助け、体の代謝を高める効果があります。
疲労回復:主食・主菜・副菜のバランスを意識する
食事の基本は主食、主菜、副菜のバランスを整えることです。このバランスを意識することで、身体が必要とする栄養素を効率よく摂取でき、疲労回復をサポートします。主食はエネルギー源となる炭水化物を提供し、ご飯やパン、麺類などがこれに該当します。主菜はたんぱく質を中心に、肉や魚、卵、大豆製品を取り入れることで筋肉や細胞の修復を助けます。一方、副菜はビタミンやミネラルを豊富に含む野菜や海藻を加えることで、体のバランスを整え、免疫力を高める役割を果たします。
回復に役立つと言われている主な栄養素
ビタミンB群
エネルギー代謝に関与
ビタミンC
鉄の吸収を助け、体調管理に役立つ栄養素
たんぱく質とアミノ酸(アスパラギン酸、クエン酸)
エネルギー代謝に関与するとされます。
アスパラギン酸は、エネルギー代謝を促進し、乳酸の蓄積を抑制することで、筋肉疲労を軽減する効果が期待されます。クエン酸は、疲労の原因となる乳酸の代謝を助け、エネルギーの生成をサポート。
ミネラル(マグネシウム、鉄分、カルシウム)
筋収縮や神経伝達、酸素運搬など体のはたらきを支えます。
マグネシウムは、筋肉の収縮やエネルギー生産に関わる酵素の働きを助け、体の疲労感を軽減します。鉄分は、酸素を体内に運搬する役割を担っており、鉄不足が続くと酸素供給が不足し、疲労感が増す原因となります。カルシウムは、骨の健康だけでなく、神経伝達や筋肉の働きを正常に保つためにも必要と言われています。
発酵食品由来の成分
腸内環境の改善に寄与する可能性が報告されています。
例えば、乳酸菌やビフィズス菌などのプロバイオティクスは、腸内環境を整えるだけでなく、免疫力の向上や腸の活動を活発にすることで、疲労回復を促進します。
発酵食品には、味噌、納豆、ヨーグルト、キムチ、チーズなどがあり、それぞれ異なる発酵菌や栄養素を提供します。
発酵食品はまた、精神的なリラックス効果も期待できます。腸は「第二の脳」と呼ばれるほど、多くの神経伝達物質を生成しています。プロバイオティクスによって腸内環境が改善されると、セロトニンなどの幸福ホルモンの生成が促進され、精神的な安定を保つことができます。
簡単!コンビニ・外食で選ぶ疲労回復する食べ物
コンビニで食べ物を選ぶポイント
コンビニで疲労回復を目指す際には、自分の疲労タイプに合わせた食品選びが重要です。
- 肉体的だるさ:サラダチキン、卵おにぎり、豆腐・納豆サラダ
- 頭のぼんやり:バナナ+ナッツ(食べ過ぎに注意)
- 気分の落ち込み:ヨーグルト、ナッツ、ハーブティーなど
- 貧血気味の自覚があるとき:鉄強化飲料やほうれん草の惣菜などを組み合わせ
外食で選ぶ食べ物のポイント
外食時に定食を選ぶ際のポイントは、栄養バランスに注目することです。
- 主食:白米または玄米(状況により少なめも選択)
- 主菜:魚や鶏などのたんぱく質源
- 副菜:緑黄色野菜、汁物に味噌汁など発酵食品
避けたい食べ物の特徴
疲労回復を考える際に、避けたい食事の特徴を知っておくことは重要です。
- 過剰な糖・脂・塩、飲酒のしすぎはコンディションを乱す要因になりえます。
(おさらい)疲労の種類と原因
肉体的疲労
肉体的疲労とは、身体を酷使した結果として生じる疲れを指します。これは運動後や長時間の立ち仕事、肉体労働などでよく見られます。肉体的疲労は筋肉や関節に負担をかけ、倦怠感や筋肉痛として現れます。適切な休息を取らないと蓄積され、慢性的な疲労感を引き起こす可能性があります。肉体的疲労の主な原因は、筋肉のエネルギー源であるグリコーゲンの消耗、筋肉繊維の損傷、乳酸の蓄積などです。疲労回復には、エネルギー源となる炭水化物の摂取が重要です。
精神的疲労
精神的疲労は、過剰なストレスや感情の負担から生じるもので、心の健康に大きな影響を与えます。慢性的な精神的疲労は、うつ病や不安障害のリスクを高める可能性があり、早めの対処が重要です。精神的疲労は、仕事や人間関係、日常生活の中でのストレスが蓄積することで引き起こされることが多く、気づかぬうちに心のエネルギーを消耗してしまいます。
脳疲労
脳疲労は、長時間にわたる集中や情報過多、ストレスなどが原因で脳が過剰に働き、正常な機能を維持することが困難になる状態を指します。この状態に陥ると、思考力や記憶力の低下、注意力の散漫、さらには感情の不安定さを引き起こすことがあります。
季節性疲労
季節性疲労は、季節の変わり目に特に感じやすくなる疲労です。春から夏、秋から冬といった気温や日照時間の変化が体のリズムに影響を与え、疲労感を感じやすくなります。特に気温が急激に変化する季節は、体温調節機能が追いつかず、体に負担がかかります。さらに、日照時間が短くなる秋や冬は、セロトニンの分泌が減少し、精神的な疲労感を強くすることもあります。このような季節性疲労を和らげるためには、まず規則正しい生活リズムを維持することが重要です。適度な運動や十分な睡眠を心がけ、体のリズムを整えましょう。
まとめ(疲労回復:食べ物)
疲れを癒やすための食事は、日々の生活に取り入れやすく、続けやすいものです。肉体的、精神的、脳疲労それぞれに適した食材や栄養素を活用することで、疲労を効果的に回復させることができます。朝食をしっかり摂り、冷たいものを避け、バランスの良い食事を心がけることが大切です。コンビニや外食でも賢く選択することで、忙しい日常の中でも栄養バランスを保つことができます。疲労を感じたら、まずは食事内容を見直してみましょう。これらの工夫を日々の生活に取り入れることで、健康で活力ある毎日を過ごすことができるでしょう。是非、今日から取り入れてみてください!
※本ガイドは一般的な知見に基づく情報提供で、治療を目的とするものではありません。体調や薬、個人差により感じ方は異なります。気になる症状が続く場合は医療機関へご相談ください。
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