疲労からくる体温上昇を感じたことがあると思います。ストレス性体温上昇と言われますが、その発熱は原因や対策があまり知られていません。
本記事では、「疲労 熱」をキーワードに、その「ストレス性体温上昇」の特徴について解説します。
ストレスや過労が原因で体温が上がる理由を知り、適切な対応をすることで、健康的な生活を手に入れましょう。
ストレス性体温上昇の特徴
(1)疲労 → 高熱で回復が早いタイプ
急激に高熱がでますが、回復が早いタイプのストレス性体温上昇です。
主に精神的ストレスが引き金となります。
このタイプの体温上昇は、通常の発熱とは異なり、細菌やウイルス感染によるものではなく、交感神経系の過度な刺激によって引き起こされます。具体的には、緊張や不安、驚きなどの感情が高まると、アドレナリンが大量に分泌され、心拍数や血圧が上昇し、それに伴って体温も急激に上がります。
しかし、この状態は一時的であるため、ストレス要因が取り除かれたり、リラックスすることで比較的に短時間で平熱に戻ることがあります。例えば、試験中やプレゼンテーションの前に体温が一時的に上昇し、終わった後にすぐ戻るというケースです。
このような体温上昇は、体の防御反応として発生するため、通常の解熱剤では効果がないことが多く、ストレスマネジメントや十分な休息が重要となります。
(2)疲労 → 微熱が続くタイプ
微熱状態が続くタイプは、長期間にわたり体温が37度前後で停滞、慢性的なストレスが影響を及ぼしていることがあります。
特に、仕事や人間関係、生活環境の変化などが原因で、交感神経が過剰に働き、副交感神経が十分に機能しない状態が続くと、このような微熱が持続することがあります。これにより、体は常に軽い戦闘状態にあると認識し、体温をわずかに上昇させることでストレスに対抗しようとします。
対処として日常生活の中でリラックスできる時間を設けたり、ストレスを管理する方法を見つけることが重要です。適切な睡眠や栄養バランスの取れた食事も、改善するためのサポートとなるでしょう。
ストレス性の発熱に解熱剤が効かない理由
通常の発熱とは異なるメカニズムで体温が上昇するため、ストレス性体温上昇は解熱剤が効果を発揮しないことがあります。
一般的な発熱は、体内に侵入した病原体に対する免疫反応として、体温が上昇することで発生します。この場合、解熱剤は体内のプロスタグランジンという物質の産生を抑えることによって、体温を下げる効果をもたらします。
しかし、ストレス性体温上昇は、心理的または精神的ストレスが原因で、自律神経系が過剰に反応し体温が上昇するため、炎症や感染症が関与しないことが多いです。このため、解熱剤がターゲットとするプロスタグランジンの生成が関与しておらず、薬効が発揮されにくいのです。
脳のオーバーヒートについて
脳は、過剰な活動やストレスによってオーバーヒートすると言われています。
脳自体の温度が高くなったり、体温調整機能が低下し、自律神経が乱れたりして発熱しますが
休息とあわせて、室温を過ごしやすい温度にし、周囲に騒音があれば、最小限に抑えること等が大切です。
疲労への対策
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★まず水分補給
発熱しているときに大事なのは、まず「水分補給」です!
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次に、ストレス性体温上昇や頭痛の対策として、疲労やストレスのもとになる原因を取り除くこと、活動を中断して休息をとることが重要です。
ただし、すべてをすぐに取り除けるものではないため、効率の良い疲れの取り方をまとめておきます。
効率の良い疲労回復の方法
1. 良質な睡眠を取る
- 就寝前のブルーライトを避ける
- 一定の就寝、起床時間を保つ
- 睡眠環境(温度・明るさ・騒音)を整える
睡眠中は心身が修復されるため、量よりも質が重要です
2. バランスのとれた食生活
- ビタミンB群やマグネシウム:エネルギー代謝と筋肉の緊張緩和に寄与
- 野菜、果物、全粒穀物、ナッツ類などを中心に
- 血糖値に急激な変動を起こさないよう、糖分の摂取を適度に控える
食事を見直すことで疲労を軽減できます
3. 適度な運動と生活リズムの改善
- 軽い有酸素運動で血液循環を促進(エンドルフィン分泌によりストレス軽減)
- 毎日同じ時間に食事・起床・就寝する
生活リズムを整えると、疲労回復がスムーズになります
4. 入浴やリラクゼーション
- 温浴で血行促進、筋肉の緊張を和らげる
- 深呼吸や瞑想、ヨガで交感神経を抑制
- アロマテラピーでさらなるリラックス効果
5. サプリメント・漢方薬の活用
- ビタミンB群:エネルギー代謝を助ける
- 鉄分・マグネシウム:筋肉と神経の機能補助
- 漢方薬:疲労感軽減の報告あり
サプリメントや漢方薬はあくまで補助的。専門家のアドバイスも参考にしましょう
★疲労について、詳しくはこちらのカルテコブログ
医療機関への相談
体温上昇が続く場合や、体調が悪化している場合には、早急に医療機関に相談することが推奨されます。早期の介入により、症状の悪化を防ぎ、より適切な治療を受けることが可能になります。
まとめ
疲労やストレスによる発熱は多くの人が経験するものですが、その原因や対策を知ることで、これらの症状に対処する手助けとなります。適切な休息やストレス管理、そして脳にとっての快適な環境づくりが重要です。もし、微熱が続いたり、体調不良が改善しない場合は、医療機関での相談を検討してください。自己判断で慢性的な疲労を放置することは避け、専門家のアドバイスを受けることが、健康を守るための第一歩です。これを機に、自分の体調に気を配り、疲労が蓄積しないようなライフスタイルを心がけましょう。
2025年5月14日
メディカル・データ・ビジョン株式会社
自律神経を計測できるアプリ「カルテコ」 運用企画部 平井真司